超音波洗浄機の選び方
超音波洗浄機は、「何を」「どのくらいの頻度で」「どのような環境で」使うかによって、最適な機種が変わります。
このページでは、初めての方でも選びやすいように、超音波洗浄機を選ぶ際のポイントを分かりやすくご紹介します。
1. 周波数で選ぶ(洗浄力・対象物の違い)
超音波洗浄機の「洗浄力」や「向いている用途」は、主に周波数によって変わります。
一般的な目安は以下のとおりです。
| 周波数 | 特徴 | 主な用途・対象物 |
|---|---|---|
| 28kHz | キャビテーションが大きく洗浄力が強い |
金属部品の油汚れ、錆、炭化した汚れなどの粗洗浄向け。 キャブレター、エンジン部品、工具など、しっかり汚れを落としたい場合に最適です。 |
| 40kHz | 最も汎用性が高い標準的な周波数 |
一般金属部品、樹脂、ガラス、日常的なパーツ洗浄など、幅広い用途に対応。 「どれを選べばよいか迷う」という場合は 40kHz が基準になります。 |
| 60〜80kHz | 気泡が細かく繊細な対象に適する | 精密金属部品、時計部品、微細な隙間の洗浄など、ダメージを抑えたい精密洗浄に向いています。 |
| 100kHz以上 | 超微細な汚れの除去に対応 | 半導体部品、光学レンズ、HDD、シリコンウェハなど、超精密洗浄が必要な分野向けです。 |
※上記は一般的な目安です。対象物の材質や汚れの種類によって最適な周波数は変わります。
2. 槽(タンク)サイズで選ぶ(入れたい物の大きさ)
次に大切なのが洗浄槽のサイズです。
基本的には、「入れたい最大サイズの部品+まわりに3〜5cm程度の余裕」を目安にお選びください。
例)最大の部品サイズが「幅20cm × 奥行15cm × 高さ10cm」の場合:
→ 幅25cm × 奥行20cm × 高さ10〜15cm以上の槽があるモデルが安心です。
また、まとめて何点入れるのか、バスケット使用の有無などによっても、適切なサイズが変わります。
3. 使用頻度・使用環境で選ぶ(スタンダード/工業用)
超音波洗浄機は、「どのくらいの頻度・時間で使うか」によって、適した仕様が異なります。
● ご家庭・軽作業・短時間使用の場合
洗浄頻度がそれほど多くない場合や、家庭用・軽作業でのご使用には、
短時間の運転(1日数回・10〜30分程度)に適した「スタンダード基板」タイプをおすすめしています。
普段使いにちょうどよく、気軽にお使いいただけるモデルです。
● 工場・産業用・長時間運転の場合
工場や産業用にご使用の場合、または1日数時間以上ご使用いただくなど洗浄頻度が高い場合には、
耐久性に優れた工業用の超音波洗浄機をおすすめいたします。
長時間運転や連続使用が前提の現場では、仕様や構造が強化された工業用モデルが安心です。
4. 必要な機能で選ぶ
用途に応じて、あると便利な機能もあわせてご検討ください。
- ヒーター機能:油汚れの分解を助け、洗浄力アップ
- タイマー機能:洗浄時間を一定に保ち、作業の再現性向上
- 温度設定:材質や洗浄液に合わせて適切な温度管理が可能
- スイープ(Sweep)機能:共振ムラを抑え、均一に洗浄
- ディガス(Degas)機能:液中の溶存ガスを抜き、洗浄効率を安定
- 循環ろ過機能:洗浄液中の汚れを除去し、液をきれいに保つ
- バスケット・蓋:部品保護や液はね防止、作業性の向上に有効
5. 用途別の周波数の目安
| 用途 | おすすめの周波数帯 |
|---|---|
| 金属部品の油汚れ・グリス・錆 | 28〜40kHz(強めの洗浄力が必要な場合は28kHz) |
| 自動車・バイク部品(キャブレター・EGRなど) | 28kHz |
| 一般的な工業部品・樹脂部品 | 40kHz |
| 時計部品・精密機器・微細穴 | 60〜80kHz |
| 光学レンズ・HDD・電子部品 | 80〜120kHz |
6. どれを選べばよいか迷った場合は
「どの周波数がいいかわからない」「サイズや容量のイメージがつかない」など、
ご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
お使いになりたい部品の写真やサイズ、汚れの状態、使用頻度などをお知らせいただければ、
用途に合ったモデルをご提案いたします。





